企業家精神

中国:PlaNet Finance(マイクロファイナンスを支援するNGO)、農村部での技術革新と起業を実現可能に

中国

Minister for Information and Communication Technology(中国情報産業部、略称MII)によると、中国は、2007年6月の報告で計5億200万人が携帯電話に加入している世界最大の携帯市場です。その一方で、中国の東岸地域の都会と西部の農村地域間には、依然として著しい貧富やワイヤレス接続の格差が存在します。MIIの報告によると、中国の携帯電話普及率は40%足らずですが、一部の都市部では90%にも及んでいます。次のWireless Reachプロジェクトでは、先進のワイヤレス技術の利用により、同国西部に位置する陝西省、貴州省、寧夏回族自治区で、サービスの行き届いていない地域の長期的な発展とその持続に積極的に貢献することを目指しています。 

China Unicom社および国際的な非政府組織であるPlaNet Financeと協力して、クアルコムは、CDMA2000の携帯端末2,000台を寄付しました。この端末には、China Unicom社から寄付された月単位のサービス利用クーポン(最長2年間有効)が予め付与されています。携帯端末は、PlaNet Financeの活動に参加しているマイクロファイナンスのスタッフおよびマイクロローン(小規模融資)の利用者に配布されました。起業家は携帯端末を使ってモバイル通信を利用できるようになり、PlaNet Financeプログラムの効果が高まっています。

携帯端末の利用者は、マイクロファイナンスの融資担当スタッフと、PlaNet Financeとのこれまでの取引に問題がなく、トレーニングプログラムに定期的に参加しているローン利用者です。China Unicom社のサービス利用クーポンを使用すると、PlaNet Financeからマイクロファイナンスのパートナーおよびローン利用者に、主要価格や融資情報などを伝える週刊のSMSが配信されます。CDMA2000の携帯端末の寄付により、ローン利用者が市場に積極的に参入にするようになり、また、遠くまで出掛ける必要がなくなってマイクロファイナンスの融資が受けやすくなりました。

Wireless Reachプログラムを通して、クアルコムおよびChina Unicom社では、2006年3月に全国人民代表大会で温家宝首相が明言した中国全土の開発目標を支持しています。

パートナー

  • China Unicom社
  • PlaNet Finance(マイクロファイナンスを支援するNGO)
     

スポットライト

中国
2007 出生時の平均寿命(歳) 72.9
2007 人口 13億800万人
2006 国民1人当たりのGDP 7,700米ドル
2007 インターネット普及率 12.3%
2007 携帯電話普及率 39.9%
出典:China’s National Bureau of Statistics(中国国家統計局)およびMinistry of Information Industry(中国情報産業部);Paul Budde Communication(Paul Budde Communication社が発行する報告書);Human Development Reports from United Nations Development Program(国連開発計画の「人間開発報告書」);CIA World Factbook(「CIAワールドファクトブック」)。2007年の統計データは、特定の項目においてPaul Budde Communication社またはCIAが信頼性および一貫性が最も高いと判断した出典に基づく現在の推定値です。
 

「SMSシステムを利用する最大のメリットの1つは、購入すべき商品や購入すべき時期が分かることです。たとえば、飼育している羊のえさを買う場合、 飼料の価格は日によって大きく変動しますが、SMSによって価格が配信されてくるため、買ったほうがよい時期、余分に買っておいた方がよい時期、価格が下がるまでは必要最低限のみを買うようする時期が把握できるようになりました。」

– 寧夏回族自治区塩池郡の農業経営者

インドネシア:村落電話の模倣プログラム、企業家に成功への新ツールを提供

村落電話

Wireless Reachは、Grameen Foundation(グラミン財団)と提携して、村落電話の概念をインドネシアに適用した場合の実現可能性を検討しました。この概念は、いくつかの発展途上国で効果を上げており、たとえば、バングラデシュでは、30万人以上が村落電話の運営者(VPO)になっており、貧困の連鎖を断ち切る確実な手段として実証されています。VPOの収入は全国平均を上回っています(たとえば、ウガンダの場合、VPOの収入は平均のほぼ3倍)。また、村落電話によって、これまで外界とのつながりが断たれていた村落で遠隔通信を利用できるようになりました。

この根本的な概念はシンプルながら高い効果が認められています。この概念を導入した場合、まず、通信手段のない地元の企業家が、マイクロファイナンスの機関からマイクロローン(小規模融資)を借り受けます。企業家はこのマイクロローン(小規模融資)を利用して村落電話キット(電話機、アンテナ、電源、信号、関連のマーケティング資料が含まれます)とサービスプランを購入し、自身の友人や近所の人々に電話使用料を「分単位」で小売りします。このシステムでは、それぞれの当事者に見返りがあります。

  • マイクロファイナンスのローン利用者は、持続性のあるICT事業の運営により利益が得られます。
  • 地域の人々には、低価格な遠隔通信サービスを利用できるメリットがあります。
  • 通信事業者は、既存のインフラを使用する加入者および通信時間が増えて利益が増大します。
Wireless Reachとそのパートナーは、この先見性のある概念によって、インドネシアの農村地域の電話回線密度が増加すること、そして、新たな機会の導入によってマイクロファイナンスを利用して堅実な事業を営む起業家が増加することという2点から、インドネシアにプラスの効果がもたらされることを期待しています。

パートナー

  • Grameen Foundation(グラミン財団)

     

スポットライト

インドネシア
2007 出生時の平均寿命(歳) 70.2
2007 人口 2億3,500万人
2006 国民1人当たりのGDP 3,900米ドル
2007 インターネット普及率 8.2%
2007 携帯電話普及率 28%
出典:Paul Budde Communication(Paul Budde Communication社が発行する報告書)、The Human Development Reports from the United Nations Development Program(国連開発計画の「人間開発報告書」)、CIA World Factbook(「CIAワールドファクトブック」)。2007年の統計データは、特定の項目においてPaul Budde Communication社またはCIAが信頼性および一貫性が最も高いと判断した出典に基づく現在の推定値です。
 

スリランカ:HSDPA接続、起業を促進し、農村地域の住民に通信手段を提供

HSDPA接続

スリランカの人々が堅実な事業を運営し、そして農村地域の住民が外界と高速インターネットアクセスで通信できるようになることを支援するために、クアルコムおよびUnited States Agency for International Development(米国国際開発庁、略称USAID)は、「ラスト・マイル・イニシアチブ」においてDialog Telekom社、National Development Bank(スリランカ国立開発銀行)、Synergy Strategies Group(SSG)社と協力して、Wireless Reach初のHSDPAプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトにより、スリランカの農村地域に、Dialog Telekom社のHSDPAネットワークを使用したEasy Sevaインターネットセンターが25箇所開設されています。

Easy Sevaセンターには、概念上の2つの目的があります。第一の目的は、地元の起業家にEasy Sevaフランチャイズに投資する機会を提供することです。Easy Sevaインターネットセンターは、Wireless Reachとそのパートナー各社から一括購入した機器、ソフトウェア、コンテンツ、サービスを含む高度に標準化されたパッケージが用意されているため、新規参入する際の障壁が比較的低く、立ち上げ費用も最小限で済むことから、魅力的な投資になっています。

Easy Sevaセンターの概念上の2つ目の目的は、通信手段のない地域社会に、3GのHSDPAインターネット接続を備えたコンピュータセンターを設立することです。スリランカの農村地域の住民は、このセンターを利用して、オンライントレーニングによる新しいスキルの習得、求人情報の検索、マイクロファイナンスやその他の銀行サービスの融資の利用、海外の家族や親族との格安な通話などが可能になります。

このWireless Reachプロジェクトでは、スリランカの人々に新たに事業主になる機会が与えられるだけではなく、通信手段が限られている地域や全くない地域で高速3Gインターネットが低価格で利用できるようになります。

パートナー

  • Dialog Telekom社
  • National Development Bank(スリランカ国立開発銀行)
  • Synergy Strategies Group社
  • United States Agency for International Development(米国国際開発庁、略称USAID)
     

スポットライト

スリランカ
2007 出生時の平均寿命(歳) 74.8
2007 人口 2,090万人
2006 国民1人当たりのGDP 4,700米ドル
2007 インターネット普及率 1.8%
2007 携帯電話普及率 15%
出典:Paul Budde Communication(Paul Budde Communication社が発行する報告書)、The Human Development Reports from the United Nations Development Program(国連開発計画の「人間開発報告書」)、CIA World Factbook(「CIAワールドファクトブック」)。2007年の統計データは、特定の項目においてPaul Budde Communication社またはCIAが信頼性および一貫性が最も高いと判断した出典に基づく現在の推定値です。
 

「Dialog Telekom社では、ラスト・マイル・イニシアチブ・プロジェクトにパートナーとして参加できることを光栄に思っています。このプロジェクトは、先進の3G HSDPAテクノロジの活用より、農村地域が直面している情報格差および通信格差が是正可能なことをはっきりと証明するものです。3G HSDPAのような最先端技術が、そのテクノロジ・ライフ・サイクルの初期の段階で、社会経済的な観点から強く必要とされる分野で利用されるのを目にすると、大きなやりがいを感じます。3G技術によってもたらされる利点をスリランカの人々の生活の改善に役立てるために、クアルコムおよびUSAIDと協力して、HSDPAが導入されるICTセンターを普及させていきたいと思います。」

– Dr. Hans Wijayasuriya(ハンス・ウィジャヤスリヤ博士)、Dialog Telekom社CEO(Chief Executive Officer)

世界:Wireless Reach BREW®プログラム、企業家を奮起

世界規模のBREW

公共の利益に貢献するBREWアプリケーションの開発を促進するために、クアルコムでは、Wireless Reachプログラムを通してBREWアプリケーションの提案を公募しました。

サンディエゴで開催されたBREW 2006 Conference*で「Wireless Reach BREWプログラム」が発表され、企業および個人に対して、医療、教育、公衆安全、行政、環境の5つのうちのいずれか分野における極めて画期的なBREW公共サービスアプリケーションの提案を募集しました。その後、グローバル通信および経済開発の専門家など外部の委員による審査を経て、5名の受賞者が選出され、それぞれのアイデアを開発に役立てるための助成金が各人に授与されました。

グランプリを受賞したインドのTata Consultancy Services(TCS)社は、ITサービス、ビジネスソリューション、およびアウトソーシングを提供するリーディング企業です。TCSの先進技術およびアプリケーション部門を統括するDr. Arun Pande(アルン・パンディ博士)率いるアプリケーション開発チームの目的は、CDMAネットワークを利用して農業経営者に役に立つ特定の情報を提供することで、技術から得られるメリットをインドの農村地域に低コストで浸透させる方法を実証することです。

プログラムその他の受賞者は次のとおりです。
  • Ria L. Moedomo(リア・L・モエドモ)、博士課程の大学院生 - 同氏のアプリケーションのアイデアは、家禽の販売および流通プロセスを調査分析して、鳥インフルエンザの経路を追跡し、その対策を講じるものです。

  • Beijing InfoQuick SinoVoice Speech Technology Corporation社 - 同社が作成したSbikitというアプリケーションは、テキストの音声変換機能や自動音声認識機能を使用して、視覚障害者のコミュニケーションをサポートします。

  • BeWell Mobile Technology, Inc. - 患者参加型ソフトウェアに対応する柔軟性の高いプラットフォームソリューションの一部であるAsthma Assistant(喘息アシスタント)およびDiabetes Assistant(糖尿病アシスタント)というアプリケーションの開発を提案しています。このアプリケーションは、医療、健康、教育、研究、予防治療、慢性疾患の管理の分野で幅広く活用できます。

  • Dr. John Canny(ジョン・キャニー博士)、カリフォルニア大学バークレー校コンピュータサイエンス学部教授 - MILLEE (Mobile and Immersive Learning for Literacy in Emerging Economies、新興経済国における識字能力の仮想体験型モバイル学習)アプリケーションは、携帯電話にゲーム感覚の学習機能を取り入れて識字能力を伸ばすものです。

  • *ワイヤレス・データ・サービスの開発と成長をテーマに、クアルコムが協賛する年次会議です。